10.01.2010

SeaborneBreed #03

唐犬の食卓

いつも何気なく食べている「日本食」の多くはそれほど古い料理ではありません。握り寿司だって鰻丼だって近世の発案です。安土桃山時代の「唐犬」の料理番がヤッツケで、冷や飯(白米)に豆腐の味噌汁をかけて鰹節をちょっと載せて餌にするのは不可能です。無かったんですから。

南蛮人が世界に広めた南米の食物はたくさんあります。しかしジャガイモにしても一気に世界中に広まった訳ではなさそうです。日本には1598年(or 1603年)オランダ船がジャワからもたらしたと言われています(異説もあります)。関ヶ原の合戦は終わっています。

南蛮人とワインを飲みながらシチューを食べていたかも、と言う西国大名でもジャガイモの味は知らなかった事になります。唐犬もハッシュドポテトをご相伴にあずかった、なんて事はあり得ません。

それどころかヨーロッパの諸国でもジャガイモが一般的に栽培されるまでには時間がかかった事は知りませんでした :-O

普及に力を注いだ人物の中にマリーアントワーネット(1755年 - 1793年)、フリードリヒ大王(1712年 - 1786年)の名前が出てくると思いませんでした。

タマネギは日本にはまだありません。食用のトマトもありませんからトマトソースは出来ません。牛乳とバターとチーズはありえます。肉はありますね(牛フィレかどうかは別として)。炭水化物が欲しいです。豆はありそうです。パンは教会堂のミサに使うから焼いていたでしょうか。ワインはあります。

南蛮文化を生きた殿様も(唐犬も)そして南蛮人もまた、そんな「洋食」を食べたのでしょうね ?:-o

江戸時代になるともうイケマせん、きっと。「あぁ、たまには牛肉のコッテリしたポトフが食いたいよぉ!」と唐犬たちは嘆いたでしょうか :-)

[参照]
AJINOMOTO/旬のカレンダー/じゃがいも
ジャガイモ/各国とジャガイモのかかわり
鰹節/燻乾法の確立
相馬博士の作物百科/タマネギ


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